BLUESTEMのブログ

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「そのSL、年賀状でできてます」──機関庫ミュージアムで衝撃を受けた日

ジオラマと製作者佐藤さん

ゴールデンウィークの話です。 九州の田舎にある小さなミュージアムで、ジオラマの中に置かれたちっちゃなSLを見せてもらったんですよ。Nゲージのレールに乗っかる、本当にちっちゃいやつ。

あれ、何で作られてると思います?

年賀状です。

いや、年賀状。 僕も最初は信じられなかったんですが、本当に、全部、紙でできているんですよ。

アクリルパネルがない日のジオラマ

その日、機関庫ミュージアムというところで、ジオラマの修繕に立ち会うことができました。 普段はアクリルのパネル越しにしか見られない展示が、その日はパネルを外して、作り手の方が直接手を入れている最中だったんですよね。周りには自然と人だかりができていて、僕もその一人として、息を詰めるようにして手元を見ていました。

作り手は 佐藤模型工房 の佐藤さんという方。ものすごく精巧なジオラマやプラモデル模型を作られている、本当にプロフェッショナルな方です。 正直、人間の手でこれができるんですか?というレベルの作業を、淡々とされていて。「ああ、こういうのって本当に向き不向きがあるよな」と、まずそれを思いました。僕には無理だな、と。

そもそも機関庫ミュージアムって

九州の田舎、豊後森機関庫公園の中にある小さなミュージアムです。 かつての扇形機関庫(今は巨大な廃墟として残っています)の歴史や、当時の豊後森機関区の様子を、写真や資料、そしてジオラマで知ることができる場所です。

その中でも、佐藤さんの作られたジオラマは取り立てて精巧で、「ああ、昔の豊後森機関庫って実際にこういう形をしていたんだ」と一瞬で理解させてくれる、貴重な展示なんですよね。前々から、ここのジオラマはすごいなと思って見ていました。

紙でできたSL──種明かし

冒頭の話に戻ります。 ジオラマの中に、Nゲージのレールが地面に埋め込まれていて、その縮尺でちっちゃなSLが置かれているんです。Nゲージって、わかる人にはわかると思うんですが、本当にちっちゃい。そのちっちゃなSLを、佐藤さんは紙の切り貼りで作っていらっしゃる。

「これ、元々何で作ってるんですか?」と聞いたら「紙です」とおっしゃるんですよね。 え?そんな質感に見えない、と思って僕がぽかんとしていたら、わざわざ車体を分解して、裏側を見せてくれて。そうしたら、どこかで見たことのある住所みたいなものが印字されている。

どうやら、年賀状を使って作られているみたいなんですよ。 全部、紙。冗談みたいですけど、全部、紙です。

それだけじゃなくて、ジオラマの中の建物の屋根。あの瓦が、一枚一枚貼り付けてあるんです。気の遠くなるような作業を、まるで写経のように淡々と。これを見せられて、僕は正直、驚くしかなかったです。

佐藤模型工房さんは 公式サイト のほかに Instagram でも作品を公開されているので、気になる方はぜひ覗いてみてください。プロフェッショナルの仕事を間近で見られるレベルです。

行ってみたい人のために

  • 場所:豊後森機関庫公園の中、機関庫ミュージアム
  • アクセス:JR久大本線・豊後森駅から徒歩5分かからないくらい
  • 休館日:月曜日
  • 営業時間:火曜日〜日曜日 10:00〜16:00

ちっちゃなミュージアムなんですが、ジオラマを楽しんだり、過去の豊後森機関区のいろんなことを学べたりします。 小さいお子さんならプラ板(プラスチックの薄い板)でキーホルダーを作ったり、立体的に変形させたりするちょっと変わった体験もできるので、絵心がない方でも、色塗りだけできれば楽しめると思います。

公園には巨大な扇形機関庫の廃墟がそのまま残っていて、これだけでも十分に見ごたえがあります。 このあたりを通ることがあったら、ぜひ公園と廃墟を楽しんで、ついでにミュージアムでこのジオラマを見て、過去の豊後森機関庫の姿を体験してもらえると嬉しいです。

佐藤さんへ

アクリルパネルなしの状態で、生でこの模型を見られるという機会は、なかなか巡り合えるものじゃないと思います。 作業の手を止めずに、こちらの素朴な質問にも答えてくださって、本当にいいものを見せていただきました。

佐藤さん、ありがとうございました。